「防水工事の保証期間って何年?」「どんな時に保証してもらえるの?」と気になっている大家さんも多いかもしれません。
というのも、防水工事の保障期間は、施工する防水工事の種類や工法によって違いますし、状況によっては保証を受けられない(使えない)ケースもあるからです。
そのため、事前に防水工事の保障の有無や保証期間、保障を受けられないケースをしっかり確認することが大切です。
●保障を受けられない(使えない)6つのケース
●防水業者選び4つの注意点
この記事では、防水工事の保障を受けるための条件と保証期間、保証を受けられない(使えない)6つのケースについて解説しています。
高額な工事料金を払ったのに、いざというときに保証を受けられなかったら勿体ないので、この記事を読んで「防水工事の保証を受けるための条件や保証の受け方」を確認していきましょう。
防水工事の保証を受けるための4つの条件
防水工事には「防水工事保証書」が発行されますが、保証期間や保証を受けるための条件について詳しくご紹介します。
防水工事の保証制度とは?
そもそも防水工事の保証制度とは、元請け会社・防水工事施工会社・防水材料メーカーの3社が連盟で防水工事の品質を保証します。
一般的には、防水工事の保証期間は最長10年ですが、防水工事の種類や工法、部分改修なのか全面改修なのかによっても保証期間は変わります。
保証を受けるための4つの条件
まず最初に保証を受けるための条件についてご紹介します。
・メーカーで規定された工法、工程を守って施工すること
・メーカーで規定された材料を適切に使用して施工すること
・保証の発行が可能な施工業者を選ぶこと
以上の4つの条件をクリアーすることで防水工事の保証を受けることが可能です。
施工場所の状況に応じて適切な工法を選択すること
防水工事は、アスファルト防水、シート防水、ウレタン防水、FRP防水など、大きく4つの種類があります。
さらに、密着工法や絶縁工法、機械固定工法など大きく3つの工法がありますが、施工場所の状況に応じて適切な防水を適切な工法で施工する必要があります。
例えば、古い建物や雨漏りしている建物の場合、密着工法ではなく、絶縁工法や機械固定工法を選択しなければいけません。
間違って密着工法を選んでしまうと防水層に不具合が生じる可能性が高くなるため、防水保証を受けることが難しくなります。
メーカーで規定された工法、工程を守って施工すること
防水工事の施工には、工法ごとにメーカーで規定された工程があります。
その工程を守ることで防水性能を継続することができますが、工程を守らずに適当な施工をすると防水層の機能が十分に発揮されません。
メーカーで規定された材料を適切に使用して施工すること
防水工事は、様々な防水材を使って防水層を形成しますが、メーカーで規定された防水材を適切に使用することが大切です。
他のメーカーの防水材が余っているからといって使用すると、防水層に不具合がでる可能性もあるため注意が必要です。
保証書の発行が可能な施工業者を選ぶこと
防水工事業者の中には、防水工事保証書の発行を行っていない業者もあるため、事前に保証書の発行が可能かを確認することが大切です。
【トラブル多発】保証されない6つのケースとは?
防水工事の保証には「保証条件」があるため、その内容を知らずにトラブルになるケースもあるため事前に確認しておきましょう。
防水工事の保証は、おもに施工内容にミスや不具合があった場合や防水工事で使用した防水材に問題があった場合に適用されます。
つまり、「施工」と「材料」以外が起因するケースでは保証を受けられないので注意してください。
【ケース1】台風、地震などの自然災害による破損
台風によって飛来物が防水層を破損させたり、暴風でシート防水がめくれた場合や地震によって防水層に破断が生じた場合には保証は適応されません。
もちろん台風以外の日常の風でシート防水がめくれるなどの不具合がでた場合には、施工不良が考えられるため保証対象になります。
【ケース2】防水施工範囲以外に原因がある破損
防水施工範囲以外に破損や不具合の原因がある場合、保証は適応されません。
よくあるケースとしては、屋上に防水工事を施工した後で、階下の室内に雨漏りが発生したため原因を調べてみると外壁から雨水が侵入していたケースがあります。
この場合、防水施工範囲以外に原因があるため保証対象外になります。
【ケース3】過失または故意による破損
「過失による破損」は、防水層に誤ってドライバーなどの先が尖ったものを落としたことで防水層に穴が開いたようなケースです。
また「故意による破損」とは、基本的には歩行不可の防水層なのに、不特定多数の人が毎日歩くような使い方をした場合などがあります。
歩行不可の防水層の場合、そのような使い方をすると防水層の破損はさけられないため、保証対象外になります。
【ケース4】適正なメンテンナンスを怠った場合の破損
防水工事保証を受ける条件として、定期的なメンテナンスを行うことが条件となっている場合、そのメンテンナンスを怠ったことで破損が生じた場合には保証を受けることができません。
例えば、ウレタン防水は紫外線からウレタンを守るために「トップコート」と呼ばれる紫外線からウレタンを保護する保護塗料が塗られています。
このトップコートは、3年~5年に一度塗の塗り替えが必要になるため、事前に決められた適正な時期に塗り替えのメンテナンスを実施する必要があります。
【ケース5】他の業者が行った工事による破損
このケースでは、例えば屋上にソーラーパネルを設置する際に防水層を貫通させて建物の躯体にボルトなどを打ち付けたことで、その部位から雨水が侵入するようなケースです。
このような他の業者が行った工事が原因による破損の場合、保証を受けることができません。
【ケース6】建物の構造や設計に問題がある場合
建物の構造や設計に欠陥などの問題がある場合には保証対象外になります。
このケースは建物の構造や設計によって様々なケースがありますが、非常に曖昧で判断が難しく施工業者によって判断が大きく違ってきます。
【失敗しない】業者選び3つのポイント
防水工事の保障に関しては、防水工事業者によっては、保証対象外となるようなケースでも無償で修繕を行ってくれる業者もいます。
逆に、なにかと言い訳をして、修繕工事をなかなか実施しない業者も存在します。
防水工事は、多少の融通を聞いてくれる、良心的な業者さんに依頼しましょう。
そこで、失敗しない業者選びの3つのポイントをご紹介します。
防水工事の保障を付けることができる業者
防水工事の保障は必ず付けてもらうようにしましょう。
いくら安くても保証の付かない工事をやると後で後悔するかもしれません。
工事内容にもよりますが、10年保証のでる防水工事がおすすめです。
定期点検・メンテナンスを行っている業者
防水工事の施工後に、一切の点検やメンテナンスを行わない業者も多いのが現状です。
その理由は、人手不足やコストがかかるためだと思います。
できれば、定期点検やメンテナンスを積極的に行っている業者を選んだほうが安心です。
防水工事の国家資格を持っている職人がいる業者
防水工事の施工レベルを判断する基準の一つになるのが「防水施工技能士」と呼ばれる国家資格です。
防水施工技能士には、防水工事の種類別に1級と2級がありますが、1級の方が技術レベルが高いため、1級の資格を持っている業者さんが良いでしょう。
例えば、ウレタン防水を検討している場合「ウレタン防水の1級防水施工技能士」を持っている職人さんがいる防水業者を選ぶと安心です。
防水施工技能士(ぼうすいせこうぎのうし)とは、
国家資格である技能検定制度の一種で、
都道府県職業能力開発協会(問題作成等は中央職業能力開発協会)
が実施する、防水施工に関する学科及び実技試験に合格した者をいう。出典:ウィキペディア
防水工事の保証期間についてのQ&A
防水工事の保証期間についてのQ&Aをご紹介します。
防水工事の保証は書面で出してもらったほうがいいですか?
口約束だと後でもめる可能性が高くなりますので必ず書面で出してもらうようにしましょう。
自然災害の場合に保証を受ける方法はありますか?
防水工事業者の保証は受けることは出来ませんがご加入されている火災保険によっては補償を受けられる可能性はあるので保険会社にお問い合わせしてみてください。
まとめ
・防水工事の保証期間は最長10年
・防水工事の保障を受けるためには4つの条件がある
・保証を受けられない(使えない)ケースもあるので注意が必要
という3点がポイントでしたね。
そのため、防水工事の保障を行っている業者に、10年保証付きの防水工法を提案してもらうことが大切です。
この記事では、いざというときに保証を受けられない(使えない)ケースもまとめたので、ご自身の物件は大丈夫か確認してみてください。
当サイトでは、地域別に防水保障もしっかり付けてくれる防水工事の専門業者をまとめていますので、そちらも参考にしてみてください。