FRP防水は軽量で耐久性に優れているため、人が歩いたり重いものを乗せても問題なく、大型施設の屋上駐車場にも使われている防水工法です。
そんなFRP防水のメリット・デメリットを解説します。
● FRP防水の適正単価
● FRP防水の施工手順
この記事では、FRP防水の「メリット・デメリット」の他に、「適正単価」や「施工手順」についても詳しく解説しています。
軽量で耐久性がある上に、工期も短いことから人気の工法ですが、施工に不向きな場所もあります。
そのため、FRP防水失敗しないためにもこの記事をチェックしてみてください。
FRP防水のメリット・デメリット
FRP防水の特徴とメリット・デメリットを解説します。
FRP防水とは?
FRP防水とは、「Fiber Reinforced Plastics」の略称で 、日本語だと繊維強化プラスチックと言います。
軽量で耐久性にも優れていますし、何より防水機能が高い防水材です。
身近なモノだとお風呂のバスタブや水を蓄える貯水タンク、車のバンパーなどはFRP(繊維強化プラスチック)が利用されています。
FRP防水は、ガラス繊維マットと液状の不飽和ポリエステル樹脂を重ねていくことで防水層を形成します。
FRP防水のメリット・デメリット
FRP防水のメリットとデメリットをご紹介します。
FRP防水のメリット
1) 防水性能が高い
FRP防水はプールや貯水タンク、船舶など、水漏れが許されない用途に使わるほど高い防水性を備えています。
2)衝撃に強く丈夫
繊維強化プラスチックのため衝撃に強く、人の歩行はもちろん、重いものを乗せても大丈夫なのほど強く丈夫です。
3)軽量
FRPは1㎡あたり3~5㎏と軽量なので建物への負担が少なく、地震の際の揺れを軽減します。
4)工期が短い
FRP防水は塗膜の硬化時間が短いため、乾燥待ちの時間が少なく工期が1日~3日と他の防水工法に比べて半分程度です。
FRP防水のデメリット
1)費用が高い
シート防水やウレタン防水に比べると、費用が高くなります。
2)施工場所が限られる
FRP防水は収縮性が低いため、木造のベランダや広い屋上だと下地の収縮に追従できずにひび割れが生じることがあります。
3)硬化するまで刺激臭がする
FRP防水に使用する樹脂は硬化するまで独特の刺激臭を発生するため近隣への配慮が必要です。
FRP防水の適正単価と施工手順
FRP防水の適正単価と施工手順を解説します。
FRP防水の適単正価
FRP防水の適正単価は、
工法 | 単価(1㎡あたり) |
FRP防水 | 6000円~8000円 |
となります。
FRP防水の施工手順
出典:http://www.daiguji23.com/menu/frp%E9%98%B2%E6%B0%B4
FRP防水とは繊維強化プラスチックの略称で、耐水性・耐衝撃性・耐摩耗性に優れていることから、大型量販店の屋上や浄化槽、プールなどにも使われています。
FRPは繊維強化プラスチック(Fiberglass Reinforced Plastics)の略称で、ガラス繊維などの強化材(補強材)で補強されたプラスチック、という意味です。
引用元:FRPについて
1、高圧洗浄
下地に付着した汚れを高圧洗浄でしっかり洗い流します。
2、ケレン・清掃
ケレンで下地に残った塗膜などを削り落としていきます。
3、下地処理
下地にひび割れ等がある場合には丁寧に補修します。
4、改修用ドレンの設置
雨水の逃げ道となる改修用ドレンを設置します。
5、プライマー(接着剤)塗布
下地とFRP防水材の密着度を高めるためにプライマーを塗布します。
出典:https://www.prootech.co.jp/menu/frp%E9%98%B2%E6%B0%B4
6、ガラスマット貼りと樹脂の塗布(1層目)
FRP防水用のガラスマットを貼り付けてFRP樹脂を塗布し密着させます。
出典:https://www.prootech.co.jp/menu/frp%E9%98%B2%E6%B0%B4
8、中塗り(2層目)
余分なFRPガラスマットを削り落として中塗りをします。
出典:https://www.prootech.co.jp/menu/frp%E9%98%B2%E6%B0%B4
9、トップコート塗布
FRP防水の劣化を防ぐ目的で保護塗料を塗布します。
出典:http://www.yaneyasan.net/blog/
10、FRP防水完了
塗膜の乾燥を待つ工程が少ないため2日~3日で完了します。
出典:https://www.prootech.co.jp/menu/frp%e9%98%b2%e6%b0%b4
特徴:
高い防水性(水密性)を持っていて、屋上駐車場にも使用されるほど丈夫で軽量で、他の防水工事に比べ工期が短いのも特徴です。
施工箇所の向き・不向き:
FRPはガラス繊維のプラスチックのため、伸縮性があまりないので地震などによる建物の揺れには弱いと言われています。
FRP防水を長持ちさせるコツは?
FRP防水の寿命は一般的に10年~15年程度です。
その寿命を短くするのも、長くするのも日ごろのメンテナンスにかかっています。
定期的なメンテナンスを行って防水層を長持ちさせましょう
定期的なドレン掃除
ドレンは防水層と雨樋をつなぐ役割をする装置で、防水層で受けた雨水を樋へと流す役割をしています。
ドレンが詰まると雨水が防水層に溜まって、ひどい場合にはプールのような状態になります。
その結果、防水層の劣化が進み、漏水の危険が高まる可能性があります。
特に建物の周りに木々があったり、屋上で植物を育てている場合は、落ち葉がドレンに詰まりやすいため定期的に掃除しましょう。
5年に1度はトップコートを塗り替える
FRP防水の表面には、防水層の劣化を防ぐためにトップコートと呼ばれる保護塗料が塗られています。
このトップコートは5年に1度の塗り替えが推奨されています。
定期的なトップコートの塗り替えをすることで防水層の劣化を防ぎ、防水を長持ちさせましょう。
FRP防水をするタイミングは?
FRP防水の寿命は10年~15年程度ですが、次にあげる現象が出た場合にはそのタイミングが近づいてきています。
表面のひび割れ・剥がれが目立つ
防水層の表面のひび割れや剥がれは、防水層を保護しているトップコートの可能性が高いです。
トップコート自体には防水機能はなく、あくまでも防水層を太陽の紫外線から守る役割をしています。
トップコートのひび割れや剥がれが目立ってきている場合、塗り替えを検討してみてはいかがでしょうか。
一般的には、トップコートの塗り替えは5年ごとが推奨されています。
FRP防水の工事業者の選び方は?
FRP防水を請け負っている業者には「建設会社」「工務店」「塗装業者」「防水工事業者」があります。
FRP防水工事を依頼するのはどこがいいのか?またその理由も合わせてご紹介します。
防水工事業者がおすすめ
FRP防水を請け負っている中で防水工事を専門的に行っているのは、「防水工事業者」だけです。
そのため、FRP防水を依頼するなら防水工事業者がおすすめです。
1級防水工事施工技能士が在籍している業者がおすすめ
FRP防水は、職人の技量によって品質に大きな差が生まれます。
また、手抜き工事も多い工法のため、FRP防水に関する「1級防水施工技能士」が在籍している業者を選びましょう。
1級防水施工技能士は、国家資格である技術検定の一種で、専門的な知識と技量を持っていないと取得できません。
まとめ
「FRP防水のメリット・デメリット」「FRP防水の適正単価」「FRP防水の施工手順」などをご紹介しました。
内容をまとめると、
・FRP防水は人の歩行や重たいものを乗せても大丈夫
・軽量なので地震のの際にも建物への負担が少ない
・他の防水工法に比べて半分くらいの工期でOK
・刺激臭がするため近隣への配慮が必要
という4点がポイントでしたね。
当サイトでは、地域ごとに防水専門業者さんをまとめていますので、「都道府県ごとの業者一覧」もチェックしてみてください。
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