【マンション・ビル・アパートの防水工事】建物別の注意点を解説!


「雨漏りが止まらない・・」「そろそろ防水工事やらないとダメかも・・」そんな大家さんのために、マンション・ビル・アパートの防水工事の注意点をまとめてみました。

さらに、建物別におすすめの防水工事の種類や工法、足場の有無などもご紹介しています。

特に、マンションの防水工事の場合、屋根の形状によって工事を依頼する業種も変わってくるので注意してください。

この記事でわかること●建物別の防水工事の種類と注意点
●アパートの防水工事はどこに頼むべきか
●外壁塗装をお得に施工する方法

この記事では、マンション・ビル・アパートの建物別の防水工事の種類と注意点について解説しています。

防水工事の基本的な知識が分かれば、実際に防水工事業者さんに依頼する時にも役立つので、この記事を読んで「ご自身の物件の防水工事の知識」を深めていきましょう。

マンション・ビルの防水工事


マンション・ビルの防水工事を検討中の大家さんに向けて、防水工事の種類や工法、相場などを解説していきます。

防水工事の種類と工法


マンション・ビルの防水工事の種類は大きく4つあります。

・アスファルト防水
・シート防水
・ウレタン防水
・FRP防水

屋上の陸屋根部分の防水工事をするなら、「シート防水」か「ウレタン防水」がおすすめです。

シート防水

シート防水には、「塩ビシート防水」と「ゴムシート防水」がありますが、塩ビシート防水の方が長持ちするのでおすすめです。

費用を抑えたい場合は、ゴムシート防水も検討してみてください。

塩ビシート防水の工法

塩ビシート防水には、「機械固定工法」と「密着工法」がありますが、コスパがいいのは機械固定工法です。

その理由は、機械固定工法は、塩ビシートを専用のディスク盤を使って、屋上の床面に固定するため、既存の防水層をすべて撤去せずに施工可能となっているからです。

つまり、下地の撤去費用を節約できるため、工事費用や工期を短縮できるメリットがあります。

防水工事の相場と施工期間


防水工事の相場と施工期間はおおよそ次のようになります。

防水工事の種類 相場 施工期間 対応年数
アスファルト防水 7,000円~10,000円(㎡) 5日~10日 13年~20年
シート防水 6,000円~8,000円(㎡) 3日~7日 10年~15年
ウレタン防水 4,000円~6,000円(㎡) 5日~7日 5年~10年
FRP防水 7,000円~9,000円(㎡) 3日~5日 10年~15年

1番コスパがいいのは、シート防水です。

とにかく工事費用を抑えたい場合には、ウレタン防水が最適な工法になります。

足場は必用なのか?


防水工事は、内階段や外階段を利用して屋上に上がれる場合には、基本的に足場は必要ありません。

しかし、屋上に上がる手段がない場合、職人さんや材料の上げ下ろしをするための簡易的な昇降足場が必要になります。

昇降足場は簡易的なものなので、3階建ぐらいでしたら費用も5万~10万と比較的安く設置できます。

防水工事の注意点


防水工事の注意点としては、次の3つのポイントを注意しましょう。

・見積りは3社以上から取ること
・防水工事を専門的にしている業者に依頼すること
・雨漏りしている場合には、原因を突き止めること

詳しく解説していきます。

見積りは3社以上から取ること

防水工事の費用は業者によって大きく違います。

もちろん、防水工事の種類や工法によっても違いがでるので、複数社から相見積もりを取る場合には、同じ条件で取るようにしてください。

例えば100㎡の屋上の見積りを取った時に、A社は130万、B社は100万、C社は80万と大きな差が出ることも普通にあります。

もちろん安ければいいとは限りませんが、ご自身の物件の適正価格を見極めることはできます。

防水工事を専門にしている業者に依頼すること

防水工事を請け負っている工事会社は、大きく4種類あります。

・住宅メーカー
・工務店
・防水工事業者
・塗装工事業者

詳しく解説していきます。

住宅メーカー

住宅メーカーは、建築全般を行う会社なので、防水工事は提携している下請け会社に丸投げします。

そのため中間マージンが発生するため工事費用が高くなる傾向にあります。

工務店

工務店は、主に大工工事を行う会社なので、防水工事は住宅メーカーと同じように提携している下請け会社に施工を依頼します。

こちらも中間マージンが発生するため工事費用は高くなります。

防水工事業者

防水工事業者は、防水工事を専門的に行っている会社なので、自社の職人さんを使った自社施工をするケースが多く、工事費用を安く抑えることができます。

さらに、実績も多く専門的な知識も備えているため、施工品質も高い傾向にあります。

特に雨漏りしている物件の場合には、防水工事業者さんに直接依頼するほうが良いでしょう。

塗装工事業者

塗装業者は、外壁塗装を専門的に行っている会社です。

塗装業者さんでも、ウレタン防水工事など、防水塗料を使った工事を積極的に行っている会社さんも増えています。

しかし、中には手抜き工事や技術不足が原因のトラブルも多く発生しているため注意が必要です。

雨漏りしている場合には、原因を突き止めること

すでに雨漏りしている場合、その原因をしっかり突き止めてから防水工事を行うようにしましょう。

原因を特定せずに防水工事をやると、せっかく工事をやっても雨漏りが止まらないなど、面倒なことになるかもしれません。

もし、工事を依頼した業者が雨漏りの原因を特定できない場合には、業者を変えた方が得策です。

アパートの防水工事


アパートの防水工事を検討する場合、まず最初にご自身の物件の屋根の形状を確認してください。

というのも、屋根の形状によって防水工事を依頼する業者が変わるためです。

詳しくご説明します。

屋根の形状を確認する

屋根の形状は2つに分かれます。

1つ目は、陸屋根(りくやね)と呼ばれる屋上の床面が平らになっている屋根です。


こちらの屋根の場合、「防水工事業者」に工事を依頼すれば大丈夫です。

2つ目は、いわゆる三角屋根、戸建て住宅に多い屋根です。


こちら屋根の場合には、「屋根工事業者」に工事を依頼するようにしましょう。

いわゆる「屋根やさん」ですね。

屋根やさんは、戸建て住宅の瓦屋根やコロニアル・カラーベストなどのスレート屋根を専門的に取り扱っている業者さんです。

また、ガルバリウムなどの金属屋根も屋根やさんに依頼するのがおすすめです。

屋根工事業者の探し方


屋根工事業者の探し方は、物件がある都道府県名+「屋根工事」「屋根や」などで検索すると見つかります。

・東京 屋根工事
・東京 屋根や
・大阪 屋根工事
・大阪 屋根や

などの検索ワードで調べてみてください。

屋根工事の注意点


屋根工事の注意点としては、次の3つのポイントを注意しましょう。

・見積りは3社以上から取ること
・屋根工事を専門的にしている業者に依頼すること
・雨漏りしている場合には、原因を突き止めること

※1番目と3番目は、「防水工事の注意点」と同じ内容になるため、詳しい説明は省略させていただきます

屋根工事を専門的にしている業者に依頼すること

瓦屋根屋やスレート屋根の屋根工事を専門的に行っている業者は、「屋根工事業者」になります。

専門業者に直接依頼するほうが、費用や施工品質の面でもメリットが多くおすすめです。

住宅メーカーや工務店などに依頼すると、提携している下請け業者に仕事を依頼するため、無駄な中間マージンが発生します。

マンション・ビル・アパートの外壁塗装


防水工事や屋根工事を行うタイミングで、マンション・ビル・アパートの外壁塗装も一緒に検討する大家さんも多いようです。

その理由は、防水工事も外壁塗装もおおよそ10年~15年毎に実施する事を考えると、同じタイミングで行った方が何かとメリットも多いためです。

防水工事と外壁塗装はセットでお得になる?


防水工事と外壁塗装をセットで行うと、どのようなメリットがあるのか簡単にご紹介します。

メリットは3つです。

足場費用が節約できる

防水工事の場合、階段などで屋上まで上がることができれば足場は必用ないですが、そういった手段がない物件だと簡易的な昇降足場が必要です。

外壁塗装とセットで行うと外壁塗装の足場を利用できるため、防水工事用に足場を準備する必要がなく足場費用の節約ができます。

雨漏りが発生した場合に責任所在が明確

屋上の防水工事と外壁塗装をそれぞれ違う業者に依頼した場合、何らかの理由で雨漏りが発生した時に問題が起こります。

雨漏りの原因は複雑で簡単に判断できないケースも多いため、雨漏りの原因が屋上部分からなのか、それとも外壁部分が原因なのかはっきりしない場合があります。

このようなケースでは、屋上の防水工事を施工した業者は、「雨漏りの原因は外壁なのでは?」と主張します。

逆に、外壁塗装を施工した業者は、「雨漏りの原因は屋上なのでは?」と主張することがあります。

しかし、屋上と外壁の工事を同じ業者に依頼すれば、こういった事態を避けることができまし、責任所在も明確になります。

コストを抑えることができる

屋上の防水工事と外壁塗装を同じ業者に任せることで、全体の工事費用を抑えることができます。

屋上と外壁を同じ業者にすることで、コストを抑えつつ、雨漏りなどの万が一の時にも責任所在を明確に出来るため、一石二鳥となります。

屋上の防水工事と外壁塗装を検討中の大家さんは、ぜひ参考にしてください。

マンション・ビル・アパートの防水工事についてのQ&A

マンション・ビル・アパートの防水工事についてのQ&Aをご紹介します。

マンション・ビル・アパートの防水工事は修繕費として計上できる?

基本的には、建物の維持・管理を目的とする防水工事であれば修繕費として消え移譲することができます。

ただし、明らかに建物の価値を高める、もしくは耐久性を向上する工事の場合には修繕費として計上できないケースもあります。

マンション・ビル・アパートの防水工事にジェットスプレー工法は最適ですか?

ジェットスプレー工法は、架台や設備等の障害物が多い屋上でも継ぎ目のないシームレスな防水膜を形成できます。

また、水蒸気も通過する防水膜を形成するため下地に残っている水分を外部に排出するためマンション・ビル・アパートの防水工事にも最適な工法です。

まとめ

・防水工事は、「塩ビシートの機械固定工法」がおすすめ
・アパートは屋根の形状によって依頼する業者が変わる
・防水工事と外壁塗装はセットで工事するとお得になる

という3点がポイントでしたね。

そのため、それぞれの物件に応じたベストな防水工事を検討することが大切です。

この記事では、状況に応じた防水工事の種類や工法、業者の選び方などをまとめたので、まずはご自身の物件のケース当てはめてチェックしてみてください。

また、外壁塗装も検討中の大家さんは、防水工事とセットで業者に依頼することも検討してみてください。

当サイトでは、地域別に防水工事の専門業者をまとめていますので、そちらも参考にしてみてください。

他におすすめの記事